参与的アーカイブのテストプレイ

STATEMENT

パフォーミングアーツ、時間芸術、空間芸術、タイムベーストメディアを用いたアート、インスタレーション、イマーシブシアター、即興というジャンル/表現方法。はたまた、ワークショップ、クリエーション、プロジェクト、体験型、上演という状況は、その大半が消えていくことが前提とされ、最も弱いメディアの一つである観客の脳内にのみ残っていき「消えていく」という前提を持っていました。以前から優秀な記録方法とされる写真やテキストも、その記憶再生装置とはなれても、そのものを再生することはできずやはり総じて弱い記録です。
そんな昨今、コロナという非日常がデジタルアーカイブを加速させ、映像配信技術が民主化したことで前提が変容しています。加えて、作品を支える思想もメディウムも多様化してきている現在、既存のアーカイブ方法だけでは捉えきれなくなっている創造的な活動や表現、作品を未来の観客に引き継ぐために、これからのアーカイブの可能性を探ることは急務かつわくわくする課題です。こうした創造的かつ実験的にアーカイブする方法を探ると同時に、作家と協働し作用しあい、時には作品に介入しながら、従来のキュレーターやドラマトゥルクとは異なった創作の現場へのアーカイブを軸とした参与の方法を試行する今回のプロジェクトを「参与的アーカイブのテストプレイ」と名付けました。

2023.1.11 秋山きらら

HISTORY

これまでの活動

2023/3/13「稽古場の空気展 VOL.1」のアーカイブを公開
2023/1/13,20HAGISOにてパフォーマンス+インスタレーションを実施
2023/1/11-22HAGISOにて「稽古場の空気展 VOL.1」を開催
2022/4〜一人目の対象者である中屋敷南さんへの帯同を始める

ARCHIVE

稽古場の空気展 vol.1

観察者:秋山きらら
対象者:中屋敷 南

音楽のリズム、衣装の手ざわり、飛び交う言葉のユニークさ。
そしてそれらが連なる先の、クリエーションの行き止まりやブレイクスルー。
面白い芸術作品は、制作の裏側まで面白い。
コンテンポラリーダンスを中心に、振付家・ダンサーとして活動する中屋敷南に、秋山きららが 6ヶ月間密着。
批評や記録映像には残らない、稽古場の空気を、展示に変えて残しました。

開催概要

日時:2023年1月11日(水)~22日(日)
8:30 – 10:30 / 12:00 – 20:00
※会期中無休  ※入場無料・予約不要
会場:HAGISO( 東京都台東区谷中3-10-25)
主催:秋山きらら
令和4年度台東区芸術文化支援制度 対象企画

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展示内容

展示された内容の一部を公開しています。

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会期中イベント

インスタレーション+パフォーマンス
今回の稽古場で行われていたクリエイションの手法を、会場にて実演しました。形作られる前の空気を見て感じてみてください。
日時:2023年1月13日(金)・20日(金) 19:00 – 20:00
出演:中屋敷 南、重松悠希、山口なぎさ、久保田舞

オーディオコメンタリー

稽古場の空気展vol.1開催にあたりオーディオコメンタリーを録りました。
声の出演:秋山きらら、加藤航平


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PROFILE

観察者:秋山きらら

ディレクター/コーディネーター/コレオグラファー

秋山きらら

1991年、東京生まれ。
幼少期からクラシックバレエを習い、全国大会入賞も果たす。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。2015年に同学を卒業後は、広告業界に新卒入社。2016年より、加藤航平と、ダンスを表現手法としてつくり方から開発するユニット〈身体企画ユニットヨハク〉を立ち上げ、これまで多数のダンス作品・企画を発表。 2021年、Legend Tokyo CHRONICLE 30秒クリエイター部門 最優秀クリエイター賞・優秀演出・CHET賞 /アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム 2021 汗かくメディア賞 受賞。
ダンサーの継続的な情報交換の場の必要性を感じ、2018年から発足したダンス井戸端会議の活動の中心的役割を担う。
現在は、スパイラル/株式会社ワコールアートセンターに所属し、パフォーミングアーツの企画制作などに携わるとともに、「アーティストの創発の場」の醸成を継続的に考え実践している。

うごきずかん(身体企画ユニットヨハク):ugokizukan.com
ダンス井戸端会議:idobata.space