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スクランブル交差空間

2016年9月15日 ,

価値観の広がった現代で、おそらく全く違う世界を見ているであろう隣人と、ぶつからず、ふれあわず、しかし同じ空間で生きる。それも新たな調和の形。 キューブの中を6つの身体が動き、それぞれの1人称視点映像が投影される。個人的な視野を通して捉えたリアルの断片は空間に積層し、不干渉の調和を描き出す。

視点 1:秋山きらら
視点 2:加藤航平
視点 3:中村朱里
視点 4:牧野彩季
視点 5:遠藤七海
視点 6:伊藤圭基/石本幸暉

音楽:髙位妃楊子
設営協力:寺田鵬弘、谷崎壮太朗
テクニカルアドバイザー:潟中直斗

振付・構成・演出:身体企画ユニット ヨハク

この作品は、2023年 清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2023 @岐阜県美術館 にて、上演しました。
https://art-award-gifu.jp/artists/yohaku

マニアなトビラ *視点*

あなたをダンス観賞の深みへご招待する、マニアな話。今回は”視点”

一人一人のダンサーの視野は限られていて、自分が構成している群舞全体を把握することはありません。自分に与えられた振付を指示された通りに遂行していれば、知らぬうちに全体が完成します。

振付家は逆に、群舞がどのような軌跡を描いているのか、全てを俯瞰して見る視野が必要不可欠でしょう。

今回は、その一人一人の視野自体を映像として作品に落とし込みました。実は表示画面の順番も加味していて、視点1の人の視野で視点3の人がどのように映って欲しいから……という思考順序で、それぞれの振付を決めています。

視野の中でどのように映っていて欲しいか。
それは今までの劇場舞台においては1面的でしたが、これからは、映像技術も発達するなど多面的な作品鑑賞の視点を持つ機会も多くなってきそうです。

 

 

 

清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2023

想像力溢れる新たな才能の発掘と育成を目的として、2017年から3年に1度全国規模の企画公募展を開催しており、今回はその3回目に当たります。テーマを”「リアル」のゆくえ”とした公募には、応募総数574件が集まり、その中から選ばれた入選14作品が展示を行いました。

主催:清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE実行委員会、岐阜県
開催期間:2023年4月22日(土)~6月18日(日)(開館日:50日間)
開催場所:岐阜県美術館
テーマ: 「リアル」のゆくえ
展示点数:入選作品14点
観覧料:無料


NEW ENERGY ZEROの会場中央、横断歩道の上を舞台に見立ててパフォーマンス。特徴的な歩き方の通行人たちは、よく見れば同じ動きを繰り返していることに気づくはず。時にさりげなく、時にユニークに、交差し続ける通行人の往来をお楽しみください。

企画・構成・振付・演出:身体企画ユニット ヨハク
出演:秋山きらら、石田優依、上井菜奈、中村朱里、額田尋美、ふみや、星洸佳、マイン
記録撮影:大野正平、野村稔
音楽:Scarlet / Dé Domhnaigh

この作品は、NEW ENERGY ZERO – performing crossing –@新宿住友ビル三角広場にて、上演しました。
https://new-energy.ooo/zero-brand/#performing-crossing

NEW ENERGY ZERO

Blue Marbleがキュレーションする、展示会、マーケット、メディアを内包した新時代の複合型イベント「NEW ENERGY(ニュー エナジー)」。2022217()19()の三日間、新宿住友ビル三角広場にて「NEW ENERGY ZERO」を初開催。ここから創出されるのは、クリエイションを核とした新たなエネルギー(Energy)です。


ひとと関わらずに生きていくのは、むずかしい。

 

マニアなトビラ *舞踊譜*

あなたをダンス観賞の深みへご招待する、マニアな話。今回は”舞踊譜”

美しいダンスは、その制作過程すら美しい。

「舞踊譜」というものを見ると、そう思わずにはいられません。(Google検索→)

舞踊譜=踊りの楽譜。
振付を楽譜のように記したもので、歴史上様々な振付家がその上に作品を残し、ダンサーとのコミュニケーションに活かしてきました。
映像技術のない時代ですから、これらは作品を残す貴重な資料。今でも大切に保管されています。

今回の作品「スクランブル交差空間」では、21世紀の舞踊譜の作成を試みました。
PC用の表計算ソフトを使って舞踊譜を作成。結果、歴史上類を見ない、複雑な舞踊譜が完成。
わたしたちの舞踊譜を見ながら作品を見ていただくと、また新たな楽しみ方ができるかもしれません。

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↓以下解説↓

【舞踊譜】
横軸がそれぞれの演者、縦軸がメトロノームのカウントです(64カウントを1つのループとして繰り返しています)。

【舞踊譜右上図】
演技空間を12のエリアに、さらに最も交差の激しい中央の平台を12のエリアに分け、A~L、A’~L’として記入しています。

【舞踊譜下図】
平台の上に全員が乗る”見せ場”を作るため、平台の上の12のエリアをさらに縦に3分割し、合計36のキューブの集合体と捉え、演者の決めポーズをテトリスのように組み合わせました。

 

演者(ほんのむし) : 秋山 きらら
演者(きれいずき) : 加藤 航平
演者(おって) : 藤田 菜美
演者(びじょ) : 中村 朱里
演者(いろおとこ) : 神谷 剛史
演者(キャプテン) : 岸本 学
演者(ろうば) : 作山 秀美
演者(とうそうはん) : 島田 菜々子
演者(はなうり) : 石田 花奈
演者(だんちょう) : 朝倉 泰臣
演者(カメラマン) : 藤木 由衣

舞踊譜作成 : 加藤 航平
衣装 : 秋山 きらら
作曲 : 秋山 きらら
撮影 : 秋山 太一郎・朝倉 佳奈子
制作補佐 : 朝倉 泰臣

 

この作品は、ZEN展(上野東京都美術館)で2016年8月に上演されました。

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