STATEMENT
パフォーミングアーツ、時間芸術、空間芸術、タイムベーストメディアを用いたアート、インスタレーション、イマーシブシアター、即興というジャンル/表現方法。はたまた、ワークショップ、クリエーション、プロジェクト、体験型、上演という状況は、その大半が消えていくことが前提とされ、最も弱いメディアの一つである観客の脳内にのみ残っていき「消えていく」という前提を持っていました。以前から優秀な記録方法とされる写真やテキストも、その記憶再生装置とはなれても、そのものを再生することはできずやはり総じて弱い記録です。
そんな昨今、コロナという非日常がデジタルアーカイブを加速させ、映像配信技術が民主化したことで前提が変容しています。加えて、作品を支える思想もメディウムも多様化してきている現在、既存のアーカイブ方法だけでは捉えきれなくなっている創造的な活動や表現、作品を未来の観客に引き継ぐために、これからのアーカイブの可能性を探ることは急務かつわくわくする課題です。こうした創造的かつ実験的にアーカイブする方法を探ると同時に、作家と協働し作用しあい、時には作品に介入しながら、従来のキュレーターやドラマトゥルクとは異なった創作の現場へのアーカイブを軸とした参与の方法を試行する今回のプロジェクトを「参与的アーカイブのテストプレイ」と名付けました。
2023.1.11 秋山きらら